ジチラボseason2 vol.5 “地域での学び”を考える〜これからの社会教育・生涯学習のあり方とは〜

 これまでのジチラボでも、地域自治の担い手をどのように拡げていくかについて話題にあがることがありました。今回は社会教育や生涯学習など”地域での学び”に自治意識を醸成するきっかけがあるのではないかということで、福岡市で公民館や地域における学びの機会づくりをしかけられているNPO法人ドネルモの宮田さんをお招きしてお話を伺いました。

▼今回論点となった話題は下記の通り。

1.社会教育・生涯学習と地域づくりの関連

 最初に宮田さんから事例を元に、社会教育・生涯学習と地域づくりの関連について考えを聞かせていただきました。そもそも社会教育は近代教育が制度化される中で、より暮らしや生活に根ざした中で学ぶ機会が人間形成には必要では、という流れから生まれています。生活に根付いた学びを、社会生活の中で実践と循環させながら行っていくことで、地域づくりと深く結びついていくのではないかということです。

2.やりたいことをかたちにする学び

 ドネルモが実践する「地域デザインの学校」では、個人のやりたいことでの地域づくりを目指しますが、そのために他者との対話やリフレクション(内省)を繰り返すことで、地域活動への波及を狙われいます。そのような学びの機会を、学校教育など構造化されたフォーマル学習と、日常生活の積み重ねの結果として得られるインフォーマル学習の間にある「ノンフォーマル学習」と捉えらています。一方、そのような学びは一時的なものになりやすく、どうすれば日常的なものにしていけるかという課題もあげられました。

3.生活と生産の一致をどう捉えるか

 現代社会の特徴として、「生活」(暮らすこと)と「生産」(働くこと)が切れやすいという状況にあります。暮らすことと働くことをより一体とするために、地域の課題解決を仕事にした方がよいのではという問いかけもありましたが、「仕事(働くこと)だけでなく「地域の支え合い」だからこそうまくいくケースもあり、その線引きについては引き続き議論の必要がありそうです。一方で、生活と生産を近づけていくことも現代の生涯学習・社会教育における課題ではないかと話し合われました。

この記事を書いた人

明石コミュニティ創造協会

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新の情報をお届けします